≪ 黄金山(こがねやま)産金遺跡 ≫ 
日本の『金』発祥の聖地

天平ろまん館がある「わくや万葉の里」には、国史跡「黄金山産金遺跡」があります。令和元年度に「みちのくGOLD浪漫—黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる−」のストーリーが日本遺産に認定され、黄金山産金遺跡は構成文化財の1つとなっています。

 

みちのくGOLD浪漫 – STORY – の概要

日本で初めて“金”が産出されたのは奈良時代の陸奥国。
現在の岩手県や宮城県を含み「みちのく」とも呼ばれるこの地が生んだ“金”は富の象徴のみならず、奈良・東大寺の大仏や平泉・中尊寺金色堂を彩り、祈りの対象として人々の心に光を灯し続けてきました。
私たちは、時代とともに幾重にも結び付き、独自の文化や信仰、産業へと昇華した“金”と人々の縁を“みちのくGOLD”と名付け、価値や魅力の掘り起しを始めました。

 

認定ストーリー ≪ 黄金山産金遺跡 ≫ 日本の『金』発祥の聖地

749(天平21)年に発見された砂金は、奈良・東大寺盧舎那仏の鍍金(金メッキ)用に献上され、時の聖武天皇はその喜びから元号を天平から天平感宝に改めました。頂から平泉や三陸地方が望める霊峰箟岳山の南麓、金色の大鳥居の先には、産金を記念して建立された仏堂跡と、その由緒を伝える「黄金山神社」が静穏な空間を創り出しています。神社の境内には初出を礼賛した大伴家持の万葉歌碑が建ち、みちのくと遥か奈良の都が“金”で結ばれたことを伝えています。神社の拝殿横を流れる黄金沢や箟岳山の沢では金色の光を放つ蛍が幻想的に舞い、心のトキメキを掻き立てるかのように今でも砂金が見つかります。一粒の砂金から始まった日本の“金”の原点を体感することができる聖地、それが黄金山産金遺跡です。

 

サブストーリー「ののだけさま」

749年(天平21年)の日本初の産金によって、箟岳丘陵は、神々や仏の加護によって“金”が出現した聖地となりました。国史跡黄金山産金遺跡にみえる延喜式内黄金山神社、「天平」の甍が葺かれた仏堂跡、大伴家持の産金を祝福する万葉歌が刻まれた碑は、「国家に安泰をもたらした」聖地の証と言えましょう。
そして770年(宝亀元年)、“金”産出をなした「箟岳山」の山頂に法相宗の寺院「無霧山正福寺」が開山します(箟峯寺「一山記録帳」に拠る)。この寺院は、平安時代に山岳信仰と結びついて天台宗の一山寺院「無夷山箟峯寺」として改宗しましたが、「地域に安泰をもたらす聖地」として法灯は護り続け、現在も奥州涌谷の「ののだけさま」と呼ばれて親しまれています。
日本初の産金の後、産金地は宮城県北~岩手県南部にまたがる地域へと移り変わっていきましたが、日本初の“金”を産出した箟岳山は今も「聖地」として息づいています。黄金山産金遺跡から車で15分、少し足をのばして「ののだけさま」を訪れると、箟峯寺と共に900年に渡り地域を見守り続けてきた杉林の足元に、黄金色の稲穂が一面にたなびき、雲海が生じる平野を一望できる絶景が広がっています。

 

みちのくGOLD浪漫 —黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる−

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みちのくGOLD浪漫
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